これから流行るサービスに必要な5つの条件

未分類

こんにちは!読書と実践が大好きなSE「つた」です。

前の記事と同じ「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」に、これから新しいサービスを作っていきたいと考えている人に向けて、示唆に富んだ内容が書いてましたので紹介したいと思います。
 

以下は本の中で私が特にいいなと思って線(Kindleハイライト)を引いた内容です。

よくできたサービスは仕組みで動く

よくできた企業やサービスは個人に依存していません、仕組みで動きます。フェイスブックの成功もマーク・ザッカーバーグが頑張って人を呼び続けているからではなく、「人が人を呼ぶ仕組み」がうまく作られているからに尽きます。  この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。
① インセンティブ
② リアルタイム
③ 不確実性
④ ヒエラルキー
⑤ コミュニケーション、の5つです。

① インセンティブ

インセンティブにも、人間の生物的な欲望(衣食住や子孫を残すことへの欲望)や社会的な欲望(金銭欲・承認欲・競争欲)を満たすものがあり、複数の欲望が混ざっている場合もあります。現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字を取って3M(儲けたい・モテたい・認められたい)の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすいです。

② リアルタイム

かならずしも本当にリアルタイムである必要はありませんが、 常に状況が変化するということを、参加者が知っていることが重要です。人間(生物)は変化が激しい環境では緊張感を保ちながら熱量が高い状態で活動することができます。反対に、明日も明後日も来年も変化が全くない環境で生活すると緊張も努力もする必要がありませんから、全体の活力は次第に失われていきます。

③ 不確実性

不確実な要素があったほうが経済システムとしては活気が出ます。例えば、誰もが未来を正確に予測できて、生まれた瞬間から死ぬまでの結果がわかってしまうような世界があったら、必死に生きたいと思うでしょうか。映画も最初から結末がわかっていると興ざめしてしまいます。人間は生存確率を高めるために不確実性を極限までなくしたいと努力しますが、一方で 不確実性が全くない世界では想像力を働かせて積極的に何かに取り組む意欲が失われてしまいます。自らの思考と努力でコントロールできる「実力」の要素と、全くコントロールできない「運」の要素が良いバランスで混ざっている環境のほうが持続的な発展が望めます。

④ ヒエラルキー

世の中には、 偏差値、年収、売上、価格、順位のような数字として把握できるものから、身分や肩書きのような分類に至るまで、階層や序列に溢れています。「経済」は実物のない、参加者の想像の中だけにある「概念」に過ぎません。なので、目に見える指標がないと参加者は自分の立ち位置がわからなくなってしまいます。また、指標が存在することで、自分と他人の距離感や関係性を摑みやすくなるメリットもあります。

⑤ コミュニケーション

人間は社会的な生き物ですから、他人との関係性で自己の存在を定義します。 参加者同士が交流しながら互いに助けあったり議論したりする場が存在することで、全体が1つの共同体であることを認識できるようになります。そのコミュニケーションの場を通して、問題があったらアイディアを出しあって解決したり、1人ではできないことを共同で実現したりできるようになります。この要素が、システム全体をまとめる接着剤としての機能を発揮します。

具体的には

衣食住の基本的な欲求は満たされていてものが売れない時代と言われています。人々の欲望は、物質的なものではなく精神的なものに移ってきています。そんな状況で、ユーザーに熱中して利用してもらえるような商品やサービスを作るには、ユーザーの欲望と向きあう必要があります。そして製品やサービスを作る人は、その製品を軸に作れる経済圏の設計を考えておく必要があります。

社会的な欲望とは、金銭欲求・承認欲求などが典型です。フェイスブックやツイッターやインスタグラムなどの SNSは、直接的にお金のやりとりをするサービスではないのでわかりにくいですが、非常によくできた経済システムと言えます。 「いいね」や「RT」はSNSという経済の中では「金銭」ではなく「承認」という欲求を満たすための装置であり、ユーザー間でやりとりされる「通貨」のような役割を担っています。拡散によって増えていくフォロワーは、貯金のように貯まっていく「資産」に近いです。

まずヒットするサービスを考える場合は、衣食住などの生理的欲求以外の社会的欲求を刺激できる仕組みを導入できないかを考えてみることが重要です。またサービスがリアルタイムとは言わずとも、 毎日・毎週・毎月変化する企画があることで、ユーザーは常にそのサービスのことが気になってくるようになり、何度も訪れてくれる可能性が高まります。

また、そのサービスを利用している人同士がコミュニケーションを取れる場所やら空間やらの機能を用意してあげるとベターです。Webサービスであればグループやチャットやコメントなどの機能がありますし、リアルのサービスであれば感謝祭やイベントのような場になります。

さらにそこで特にサービスの発展に貢献してくれたユーザーに対しては、他の人とは区別して「特別待遇」をし、それがユーザーの間で可視化されていることが必須です。 ロイヤルティを持って使ってくれた人が、そうではないライトユーザーと同じ扱いをされたら、彼らのサービスに対する熱も冷めてしまうことでしょう。そして、貢献度に応じて受けられる優待や割引などを用意しヒエラルキーを作ります。

こうしてサービスを軸にして、それを使ってくれるユーザーを母集団にして1つの経済システムを形成し、 サービスが成長することでユーザーも得をし、ユーザーが得をすることでサービスも成長するという仕組みを作っていきます。

 

これによってサービスの差別化が難しくなったとしても、サービスを軸に形成された経済圏が競争優位性となり成長を続けることができるようになります。今後、情報伝達がここまで速くなった世界では模倣は簡単です。目新しいと思われたアイディアも一瞬でコピーされます。ただ、強いロイヤルティカスタマーに支えられた経済システムは一朝一夕では構築することができません。

製品やアイディアで勝負する時代から、ユーザーや顧客も巻き込んだ経済システム全体で競争する時代になります。

<私の見解>
TwitterやインスタグラムなどのSNSがまさにこれらの特徴を持ってますね。他には私はメルカリをよく使うのですが、商品を売ったお金を引き出さずに次の商品の購入に使う人が多く、メルカリの中だけで独自の経済圏が出来ており、よくできた仕組みだなといつも感心してます。ここまで大きなサービスではなくても、例えばオンラインサロンなどはこれらの特徴を持っていると思いますので、ここに書いていることは、個人がサービスを作る際に参考になるのではないでしょうか。実は今、私も趣味と実益を兼ねたオンラインサロンを作れないか検討しているところでしたので非常に参考になりました。